コバルトーレ女川は、スポーツを通じた魅力的な町づくりを目指す「女川スポーツコミュニティー構想」のもと、平成18年4月に誕生しました。チーム名は女川の青い海(コバルトブルー)と自然豊かな森(フォーレ)をイメージした造語で、エンブレムは女川の「女」の形に輝く黄金の朝日を浴びてウミネコが舞うデザインとなっています。
チーム創設から一貫して掲げていることは「地域貢献」です。サッカーを中心とする活動で町を元気づけることが、クラブの使命であり、存在意義となります。それゆえ、ただ「試合で勝つ」ことが全てではなく、あくまで「町を元気にすること」を最終目的として活動を行ってきました。
しかしながら、当初からスムーズに活動が始まったわけではありませんでした。女川の人たちには、突然やってきた「サッカーをしにきた若者たち」は異質なものに映り、選手たちもなかなか地域に溶け込めず悩んだ時期がありました。しかし町の清掃や花植え、お祭りなど地域の活動に顔を出し続けるうちに町の人との距離が縮まり、徐々にチームが女川の町に受け入れられていると感じられるようになってきました。
クラブ創設3年目に入ると、そうした町の人たちとの関わりを確かなものと実感できる瞬間が訪れました。女川町でホームの試合が行われるようになると、そこに日頃お世話になっている町の人や職場の同僚が応援に駆けつけてくれたのです。
女川の町にクラブが溶け込むにつれ、選手たちの意識も変わりました。次第に町のために何かしたいという気持ちが大きくなり、いつしか「サッカーをしにきた若者たち」が「女川町のためにサッカーをする人たち」になっていきました。 そんな折に、2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。